ガスクロ活用事例
電子機器の大敵!「シロキサン」を測ってみました
揮発化した低分子シロキサンが電子機器内に侵入して不良の原因となる事例は1970年代から知られていたそうです。先達の皆さんの懸命の努力によって原因が解明され、原材料の改良が行われましたが、精密電子機器の製造現場では今でも品質管理上の重要な課題の一つです。
そもそも低分子シロキサンは、シリコーン製品の原料やドライクリーニング用溶媒、化粧品の添加剤等で広く使用されています。沸点が高いにもかかわらず揮発性が高い特徴を持ち、室温においても容易に気中に拡散し、揮発後の再付着により半導体製造装置のレンズ曇り、半導体絶縁膜の耐圧低下、電子部品の接点不良などを引き起こすことが知られています。
今回は低分子シロキサンのうち比較的低分子量の環状、鎖状シロキサンを含む気体をガスクロマトグラフ「Sylph」で測定し、分離、検出が可能か確認しました。
低分子シロキサンのうち環状シロキサン(D3, D4, D5, D6)と鎖状のシロキサン(M2, M3, M4, M5)をアセトン溶媒で希釈し、窒素を封入したガスバッグに注入後、ガスをSylphに導入し測定しました。
上図はガスバッグから20 mL捕集を行った時のクロマトグラムです。シロキサン略称の下の数字は捕集したシロキサンの質量 (ng)を示しています。比較的低分子量のM2, D3は高濃度の場合に検出ができました。それ以上のシロキサンは数十ng(気中濃度換算でppbオーダー)を問題なく測定が可能であることがわかりました。
低分子シロキサンの発生・濃度を把握できれば、トラブルの原因を早期発見出来るだけでなく、除去装置の性能評価にも役立ちます。Sylphは持運びが容易で操作もシンプルなため、ピンポイントで必要な場所に設置して常時監視することに適しています。





