ガスクロ活用事例
おいしいカレーがたべたくなる ~各種スパイスの香気成分を分析してみました~
気象庁の予測によれば、今年も暑い夏が訪れそうな気配です。夏バテ防止で食欲増進を図るために、スパイスを使った料理が欲しくなりそうです。スパイスといえばみんなが好きなカレーですが、カレーに使用する市販のミックススパイスやカレー粉の成分表にはいろいろなスパイスが記載されています。ブレンドされたスパイスが醸し出す香りと食感がたまりませんよね。
今回はスパイスの奥深い世界を少しだけ探るため、カレーに使われることの多い6種類のスパイスを用意し、各々個別に分析した結果を比較考察してみたいと思います。
市販スパイス粉末50mg(クミンとカルダモンは最大ピークが飽和したため10mg)をバイアルに採取し、粉末飛散防止のため1mLの純水を添加したのち、室温中でヘッドスペースガスを超小型ガスクロマトグラフSylphに捕集し分析しました。
図1に示す6種スパイスのクロマトグラムはそれぞれ固有の「香り指紋」を示しており、視覚的な識別が可能です。各スパイスの構成成分情報および保持指標から最大ピークの成分を推定したところ、クミンではクミンアルデヒド、クローブではα-フムレン、カルダモンではα-酢酸テルピニル、シナモンではクマリンまたはβ-カリオフィレン、コリアンダーではリナロールをそれぞれ検出したと考えられました。
一方、ターメリックについては、主成分であるターメロンのピークが本条件では検出されませんでした。ターメリックは加熱によって特に香りが引き立つスパイスとして知られていますが、本分析では室温でヘッドスペースガスを捕集したため、主成分のターメロンが十分に揮発しなかった可能性が考えられます。またクローブも室温中では主成分のオイゲノールよりも低沸点のα-フムレンが主ピークになったものと考えられ、これらのスパイスは加熱ヘッドスペース測定でより多くの情報が得られると推測されます
6種類のスパイスの分析はいかがでしたでしょうか。ここでご紹介した手順は試料の前処理が不要であり、ヘッドスペース測定で迅速に結果が得られるため、オンサイト分析への応用が期待されます。加熱した上で分析するための附属機器もご用意しています。





